今回は、目標達成までのルートについてお話したいと思います。
何かの目標に向かっていくためのルートは、1つではありません。演技においては以前に「不正解がある」のお話をしていましたが、今日お伝えしたいのはあくまで「正解」の範囲で、ルートが複数あるという事です。
山登りを例にしましょう。
山頂が目標(ゴール)だとして、頂上までのルートはさまざまあります。
なだらかな道の初心者コース、険しい道が続く上級者コース…もしかするとロープウェイで頂上まで行ける方法や、ヘリコプターで遠い場所から一気に頂上へ行けるルートもあるかもしれません。
経過はそれぞれ違っても、ゴールが同じであれば、そのルートも認める。そういう心持ちでいる事は、案外大切だと考えています。
「私は上級者コースで苦労して登ってきたのだから、ロープウェイで登ってきた人は認めない!」
なんて、頑なな考えは視座を低くします。人それぞれに適したルートがあり、同じゴールを目指している事を忘れないでください。
特にお芝居は、役者や演出家、その他スタッフも含む全員での共同制作です。お互いが尊重し合う事で良いシナジーが生まれるので、相手を否定しても、誰も得な事はないのです。
ただ、これだけはお伝えしておきます。
ルートが違うという事は、ゴールまでの経過で得たモノも違うのです。別のルートでは得られなかったモノを掴める可能性もあるし、別のルートなら得られたモノを逃す可能性もあるのです。
まあ、だからこそ、どのルートだから良くてどのルートはダメだ、なんて思わない方が良いのです。